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孫子のビジネス的解釈(4)

【出典】
読み下し文と口語訳は、岩波文庫 金谷治訳注の新訂 孫子

解釈についての著作権は鴈野 聡(がんのさとし)に属します。
(※読み下し文と口語訳で入力ミス等があれば、随時ご指摘下さい。)


計篇 四

夫(そ)れ未(いま)だ戦わずして廟算(びょうさん)して勝つ者は、算を得ること多ければなり。未だ戦わずして廟算して勝たざる者は、算を得ること少なければなり。算多きは勝ち、算少なきは勝たず。而るを況(いわ)んや算なきに於(おい)てをや。吾れ此れを以てこれを観るに、勝負見(あら)わる。

一体、開戦の前にすでに宗廟で目算して勝つというのは、(五事七計に従って考えた結果、)その勝ちめが多いからのことである。開戦の前にすでに宗廟で目算して勝てないというのは、(五事七計に従って考えた結果、)その勝ちめが少ないからのことである。勝ちめが多ければ勝つが、勝ちめが少なければ勝てないのであるから、まして勝ちめが全く無いというのではなおさらである。わたしは以上の(廟算という)ことで観察して、(事前に)勝敗をはっきりと知るのである。


これをビジネス的に解釈すると、

孫子の言う「算」とはフィージビリティ(=実現可能性)そのものです。

計篇の一では「五事七計」という戦略的思考のフレームワークを解説し、計篇の二では「勢」というキーワードで臨機応変の重要性を解説し、計篇の三では「兵は詭道なり」という有名な言葉で「勢」への具体的な対応例を解説し、計篇の四では「算」という言葉で結局は戦略に基づくシミュレーションあるいはフィージビリティ・スタディが重要であることを解説しています。

約2500年前にこのような戦略論が存在していたことを考えると、社会や技術、生活水準は大きく進歩したとしても、人類の思考の本質的な部分はそんなに進歩していないのかもしれません。孫子という古典を読み返して現代の社会に応用することの重要性を改めて実感します。

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